スマートフォン

画面から顔を上げたとき

いつもの何倍もの鋭さでモノが語りかけてきた気がした。

 


これまで見過ごしてきたものたちは、

一体幾つになるのだろうか。

自分を生み出すことは、

なんかとっても辛いことでずっと逃げてきた

目の前の画面を眺めながら、やり過ごしてきたけど、

その間に一体いくつもの語りかけを無視してしまったんだろう。

 


もう一度画面に向き合い、

忘れないようにひとつひとつ埋めていく

 


スマートフォン

これまでもそうだったのに、

今日はじめて自分のものになった気がした。

受け取るためのものから、

自分を残すものに変わった。