戦地の花

画面越しの灰色に

ドキドキしてしまう日々

痛めた記憶は

くだらない新商品の宣伝で消されていく

 


空を見上げれば

あの人達も見ているだろう景色が広がっている

あの場所はどんな音が聞こえていて

どんな匂いがして

どんなことを訴えてくるんだろう

一生懸命頭を動かしてみても

全然わからない

何も奪われていないのに辛くて

泣いて寝てしまう

 


目が覚めたらバターの香りがして

美味しそうにほうばってしまう

自分が悔しい

 


日に日に変わる街

逃げ惑う人 血が映る

私には流せない涙がそこにあって

拭ってあげることもできずに

1日のニュースが終わる

 


彼らの悲しみの果てに

せめて1本の花が咲くように、

種を蒔き、太陽にお祈りして

また今日を始めよう。